区分所有者が区分所有建物(マンションなど)の所有権を維持するためには、その敷地について何らかの私法上の権利を有することが必要とされています。このようにして区分所有者が有する敷地利用についての私法上の権利を「敷地利用権」といいます。この敷地利用権の存在は区分所有権の存続には必須ともいうべきもので、区分所有者がこの敷地利用権を有していない場合、その専有部分を収去する権利を有する者はその区分所有者に対して区分所有権を時価で売り渡すよう請求することができます(区分所有法10条)。また、区分所有権と敷地利用権の一体性は強く、原則として両者は分離して処分することができないものとされています(区分所有法22条1項本文)。敷地利用権としては様々な種類の権利が認められており、所有権、地上権、賃借権などがあります。