総会決議の円滑化、所有者不明専有部分の管理制度などの概要固まる

法務大臣の諮問機関となる法制審議会の区分所有法部会では、かねてより区分所有法改正についての審議が続いていますが、10月17日に開かれた第12回会議において総会決議の円滑化、所有者不明専有部分の管理制度などの概要が固まってきましたので、内容を確認しておきたいと思います。

マンション建替え・共用部分変更の多数決要件について下記のような提案がなされておりますので、一つずつ見ていきたいと思います。

総会決議の円滑化

専有部分の所有者が不在であったり不明であったりした際(不在等区分所有者)に総会決議をさらに円滑化して管理組合の中での意思決定を迅速で機動的なものにするための改正事項となります。

  • 所在等不明区分所有者の除外決定・取消し手続きは共有物の管理についての決定についての非訟事件手続法とほぼ同様の規定を設けた上で、裁判所は所在等不明区分所有者とその所在が判明した場合利害関係人の申し立てにより除外決定を取り消さなければならないこととされました。
  • この取消し裁判は所在等不明区分所有者に告知しなければならないものとされました。
  • 除外決定・取消し裁判に対しては利害関係人に限り即時抗告ができるものとされました

管理に関する区分所有者の義務(区分所有者の責務)について

不在等区分所有者ができる限り管理組合内で生じないように管理に関する区分所有者の責務についても規定が設けられる予定です。

  • 管理組合法人が区分所有権を取得した場合、議決権を有しないものします。
  • 区分所有者が国外にいる場合における国内管理人の仕組みについては、管理規約の改定により国内管理人の選任を規約上区分所有者の義務とすることもできる、とされるようです。

総会におけるウェブ会議システムの活用

区分所有法上の規律は設けられない見込みです。総会ウェブ会議システムの利用に関する規律は今後も法律や規則によらず、裁判例やガイドライン、運用に任せられる見込みです。

事務の報告 義務違反に対する罰則

区分所有法上の規律は設けられない見込みです。

第三者を管理者とする場合の監事の選任

区分所有法上の規律は設けない見込みです。

建替え決議がされたときの担保権の消滅

区分所有法上の規律は設けない見込みです。

建替え決議がされたときの敷地の一部売却

区分所有法上の規律は設けない見込みです。

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