遅延損害金の利率

Q. 当管理組合の管理規約では,遅延損害金の利率を年20%と規定しています。

この利率で計算した遅延損害金を,管理費等の滞納区分所有者に対し,裁判で請求してよいものでしょうか。

A. 裁判所の判断において,遅延損害金の利率を年14.6%まで減少させられる
可能性があります。

消費者契約法9条2号には「消費者」と「事業者」との間で結ぶ契約(消費者契約)における遅延損害金の利率を年14.6%に制限する旨が規定されています。

ここで,区分所有者が「消費者」にあたることは問題ないと解されています。問題は,管理組合が「事業者」にあたるかどうかですが,これについては,これを否定に解した上で,管理組合は「事業者」にあたらない,即ち年14.6%を超える遅延利息でも請求できるとした判例もあります(東京地裁平成20年1月18日判決)。ただし,これはあくまで下級審の判決ですし,裁判所の中には異論もあるようです。管理組合を「事業者」にあたると解釈した国の官庁もあります。

よって,管理規約の規定があるのだから遅延損害金利率を年20%として遅延損害金を請求できると判断するのは早計で,裁判所の考えにより,遅延損害金の利率を年14.6%まで減少させられる可能性があるということは,頭の片隅に置いていただきたいと思います。

無料法律相談受付中

マンション・不動産管理/不動産問題のお悩みをマンション管理士の資格を持つ「実績と経験が豊富な弁護士」にご相談ください(初回30分は無料)

ご相談は面談のみとなります(お電話でのご相談は受け付けておりません)

出張相談も受付中!30,000円+交通費

無料法律相談はこちら

マラソンと日本酒をこよなく愛する弁護士のマンション管理コラム

川崎駅西口徒歩3分

主なお客様対応エリア

上記エリアを中心に全国対応

これまで特に東京都及び神奈川県の全域から多くのお問い合わせをいただいております。