Q. 弊マンションでは,1階専有部分の営業行為を理事会に対する事前の書面による申請及び理事長の書面による許可に基づいて認めています。1階のとある区分所有建物の所有者は,その区分所有建物を物販業者に賃貸しており,実際にそこでは物販店が営業していましたが,先日の大雨で雨漏りが発生し,商品が水浸しになったとして,管理組合がその区分所有者から損害賠償を求められています。どう対応すればいいでしょうか。
A. まずは,漏水の原因の特定に努めることが必要です。これが専ら1階専有部分の瑕疵によるものであることが特定できるならば,管理組合はその区分所有者に対して損害賠償責任を負う必要はありません。
一方,マンションの外壁や躯体部分等の共用部分の瑕疵によるものであることが特定できる場合,管理組合は当該損害について損害賠償責任を負うということになります。
では,瑕疵が共用部分におけるものか,専有部分におけるものかが特定できない場合は,どちらが損害を負担することになるのでしょうか。この場合,区分所有法9条「建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人の損害を生じたときは,その瑕疵は,共用部分の設置又は保存にあるものと推定する」の規定により,瑕疵は共用部分に存在するものと推定されますので,共用部分についての管理責任を負う管理組合が損害賠償責任を負うということになります。